こんにちは。神戸市垂水区にある春藤歯科医院です。
透明の目立ちにくいマウスピースを使用するインビザライン矯正に皆さんはどのようなイメージをおもちでしょうか。着脱できる矯正装置を使用することから「治療難易度が低そう」「手軽にできそう」というイメージをおもちの方もいるかもしれません。
しかし、インビザライン矯正にも失敗例は存在します。
そこで今回は、インビザラインで失敗した例や失敗を防ぐための方法について詳しく解説します。
インビザラインとは?
インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピースを用いた矯正治療のことで、マウスピース矯正のなかで最も普及している矯正方法です。
インビザラインでは、透明のマウスピースを1日20〜22時間装着し、1~2週間に1回の頻度で交換しながら、少しずつ歯並びを整えていきます。
透明なマウスピースを使用するため目立ちにくいことから、接客業の方や見た目が気になる方などにも選ばれています。
インビザラインで失敗した例
冒頭でも述べたようにインビザライン矯正でも失敗するケースはあります。ここでは、インビザラインの失敗例を8つご紹介します。
出っ歯になった
インビザライン矯正によって出っ歯になることがあります。これは、叢生(そうせい)というガタガタとした歯並びを整える際に見られる失敗例です。
叢生の主な原因は、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足していることです。そのため、歯並びをきれいに整えるためには、抜歯をしたり歯を削ったりしてスペースを確保する必要があります。
しかし、これらの処置を行わずに歯並びを整えようとすると、元の位置よりも外側に張り出すように歯を並べることになるため出っ歯になることがあるのです。
噛み合わせ悪くなった
インビザライン矯正で生じやすいトラブルとして、噛み合わせの問題も挙げられます。インビザライン矯正をはじめとした矯正治療では歯並びだけでなく、噛み合わせも整うように治療計画が立てられます。
しかし、歯科医師の経験不足や技術不足によって誤った治療計画が立てられた場合、噛み合わせが合わなくなることがあるのです。
なお、治療経過の途中で一時的に噛み合わせが悪くなったと感じるケースもありますが、治療の完了とともに気にならなくなることがほとんどです。
歯を削られた
インビザライン矯正では歯を動かすスペースを確保するために、歯を削ることがあります。これをストリッピングといいます。
ストリッピングでは歯を片側0.25mm程度削ってすき間をつくります。このとき、すき間ができることで一時的に見た目の印象が変わることがあるため「失敗した」と感じる患者さんもいます。
歯に黒いすき間ができた
重なり合って生えていた歯並びを整えたとき、歯の生え際の歯肉が失われてすき間ができることがあります。これをブラックトライアングルといいます。
基本的にはブラックトライアングルが生じないように治療計画を立てますが、患者さんの歯や歯ぐきの状態によってはすき間ができるケースがあるのです。
虫歯や歯周病になった
インビザラインの失敗例として、矯正治療中に虫歯や歯周病になるケースもあるでしょう。通常、私たちの口腔内は唾液によって潤った状態にあるため、唾液が食べカスを洗い流し、細菌が繁殖しにくい状態を保っています。
しかし、インビザライン矯正中はマウスピースを長時間装着し続けるため、唾液が歯に届かず、自浄作用が働かなくなるのです。その結果、細菌が繁殖しやすい状態になります。
そのため、マウスピースのお手入れや口腔ケアを怠ると、普段よりも虫歯や歯周病を発症するリスクが高まるのです。なお、矯正期間中に虫歯や歯周病になった場合には、一度矯正治療を中断して虫歯や歯周病を治療しなければならないケースもあります。
歯茎が下がった
インビザラインに限った話ではありませんが、矯正治療では歯に強い力をかけることにより歯槽骨が吸収され、歯ぐきが下がることがあります。歯ぐきが下がると当然見た目の印象も変わりますし、知覚過敏になることも考えられます。
歯科医師は患者さんの口腔内の状態をしっかり確認したうえで矯正治療を行いますが、このようなケースがあることは押さえておきましょう。
後戻りを起こした
こちらもインビザライン矯正に限った失敗例ではありませんが、歯列矯正は後戻りのリスクがあります。後戻りとは一度整えた歯並びが元に戻ろうと動くことを指します。
そのため、矯正治療では矯正期間が終了したあとにリテーナーと呼ばれる保定装置を装着する期間が設けられています。着脱可能なリテーナーの場合、装着時間が不足すれば後戻りのリスクは高まります。
望み通りの仕上がりにならなかった
インビザライン矯正で失敗したと感じる方のなかには、望み通りの仕上がりにならなかったと感じる方もいます。例えば、歯のがたつきが少し残っていたり、少しだけすき間が残っていたりすることがあるでしょう。
インビザライン矯正はほかの矯正方法に比べて、細かな調整が難しいという特徴があるのです。どうしても満足できないような場合には、ワイヤー矯正で最終調整を行うことも考えたほうがよいかもしれません。
インビザラインでの失敗を防ぐためには
手軽におこなえるマウスピース矯正とはいっても高い費用を支払うため、できるだけ失敗は避けたいと考える方が多いのではないでしょうか。
ここからは、インビザラインでの失敗を防ぐための方法について解説します。
マウスピースの装着時間を守る
インビザライン矯正ではマウスピースを1日20~22時間装着し続けなければなりません。装着時間が不足すると、治療計画通りに歯が動かなくなり、理想の歯並びを手に入れることが難しくなります。
また、インビザラインでは定期的に新しいマウスピースに交換しますが、装着時間が不足していると次のマウスピースが装着できなくなることもあるでしょう。治療期間が延びる原因にもなるため、マウスピースの装着時間は必ず守るように心がけましょう。
マウスピースの使用方法を守る
マウスピースは弾力性のあるシリコン素材でつくられているので、取り外す際に無理やり強く引っ張ると変形することがあります。そのほか、熱いお湯で洗浄したり、マウスピースを装着したまま食事をしたときに変形することもあるでしょう。
インビザライン矯正のマウスピースは治療計画にもとづいて患者さんの歯並びにぴったり合うようにつくられています。使用方法を誤ってマウスピースが変形・破損すると、治療計画通りに歯並びを整えることが難しくなるでしょう。
毎日の歯磨きやお手入れを丁寧におこなう
先にも述べましたが、インビザライン矯正中は虫歯や歯周病のリスクが高まります。食事のあと歯磨きをせずにマウスピースを装着すると、細菌が繁殖しやすくなるため注意しましょう。
毎日の歯磨きやマウスピースのお手入れを丁寧におこない、口腔内の清潔をたもつことが大切です。
実績や経験が豊富な歯科医師を選ぶ
インビザライン矯正は歯科医師の実績や経験によって仕上がりが左右されます。実績や経験が豊富な歯科医師であれば、多くの症例に対応できるため患者さんに合った治療計画が立てられるでしょう。
インビザライン矯正を受ける際には、すぐに答えを出す必要はないので、いくつかの歯科医院でカウンセリングを受け、信頼できる歯科医師を選ぶことも大切です。
抜歯やIPRについて理解する
インビザライン矯正では治療を進めるなかで、抜歯やIPR(歯を削る処置)を行うことがあります。なかには健康な歯を失うことに抵抗がある方や抜歯をすることによる見た目の変化が気になる方もいるかもしれません。
しかし、これらの処置は歯並びをきれいに整えるために必要な処置です。スペースが足りない状態で治療を行っても、出っ歯になったり噛み合わせが悪くなったりすることもあるため、必要性を理解することが重要です。
保定装置を指示通りに装着する
矯正によって整えた歯並びを維持するためには、保定装置を指示通りに装着する必要があります。保定期間の目安は矯正期間と同程度が一般的で、矯正期間が半年ならば保定期間も半年、矯正期間が1年ならば保定期間も1年となります。
保定装置のなかには着脱可能なものもあります。保定装置の装着を怠ると、後戻りを起こす可能性があるため、必ず指示通りに装着することが大切です。
違和感があるときは放置せずに歯科医師に相談する
インビザライン矯正を進めるなかで、違和感をおぼえるときもあるでしょう。違和感を放置すると、治療計画どおりに歯が動かなくなったり噛み合わせに問題が生じたりする恐れがあります。違和感があるときは、我慢せずに早めに歯科医師に相談しましょう。
まとめ
取り外しができるマウスピースを使用して行うインビザライン矯正は、矯正装置が目立ちにくく、食事や歯磨きも普段通りにできることから人気です。
しかし、なかには失敗するケースもあります。歯を並べるスペースがない状態のまま矯正治療を進めることで出っ歯になったり、ケアが不十分だと虫歯になったりすることがあるのです。
インビザライン矯正の失敗を防ぐためには、歯科医師に指示された通りにマウスピースを装着し、しっかりと口腔ケアを行うことが重要です。矯正治療中に少しでも違和感をおぼえたときはトラブルが起こっている可能性があるため、速やかに歯科医師に相談してください。
インビザラインを検討されている方は、神戸市垂水区にある春藤歯科医院にお気軽にご相談ください。