こんにちは。神戸市垂水区にある春藤歯科医院です。
歯茎の腫れや出血、口臭が気になっていませんか。これらの症状がある方は、歯周病が重度の状態にまで進行している可能性があります。歯周病は早期発見が難しく、気が付いたときには進行していることも少なくありません。
しかし、歯周病は適切な治療を受ければ改善の可能性があります。
そこで今回は、重度の歯周病の症状や治療法、放置するリスクなどについて詳しく解説します。
歯周病の進行段階
歯周病は自覚症状が少なく、気が付かないうちに進行するため注意が必要です。事前に歯周病の進行段階を理解しておけば、些細な変化に気が付いて早めに対処できるでしょう。以下に、歯周病の進行段階について解説します。
歯肉炎
歯肉炎は歯周病の初期の段階です。歯茎が炎症を起こした状態で、ブラッシングの際に出血したり、歯茎が赤く腫れぼったくなったりします。歯肉炎は適切なケアをおこなうことで改善できる場合があります。
軽度の歯周炎
歯肉炎が改善されないと、軽度の歯周炎に移行します。
軽度の歯周炎になると、歯と歯茎の間に隙間ができ、食べかすが詰まりやすくなります。また、ブラッシング時に出血することが増え、歯茎はさらに赤く腫れぼったい状態になります。軽度の歯周炎は、人によって自覚症状に乏しいことがあるので注意が必要です。
中等度の歯周炎
軽度の歯周炎が改善されないと、中等度の歯周炎に移行します。
中等度の歯周炎は、歯と歯茎の間の歯周ポケットがさらに深くなり、歯を支えるあごの骨が溶け始める段階です。炎症が広がり、歯茎が赤黒く腫れたり、膿が出たりすることもあります。口臭や歯のぐらつきを感じる方もいるでしょう。
自覚症状が顕著に現れ始めるため、この段階で気が付く方もいます。
重度の歯周炎
歯周病の最終段階が重度の歯周炎です。
歯を支えるあごの骨が大きく失われ、歯のぐらつきが顕著になります。痛みを伴うこともあり、咀嚼機能に影響が出る場合もあります。そのため、食事をすると歯が揺れて痛みが出るケースも少なくありません。
重度の歯周炎にまで進行すると歯を失うリスクが高まります。また、歯周病菌が血流に乗って全身に広がり、さまざまな全身疾患を引き起こす可能性もあります。重度の歯周炎まで進行すると治療が難しく、抜歯になるケースもあるでしょう。
重度の歯周病の症状
重度の歯周病は、歯周病の最終段階で歯の健康に大きく影響を及ぼす状態になります。歯を残すためには、早期発見と適切な治療が重要になりますが、症状を見逃してしまいがちです。以下に、重度の歯周病の主な症状を解説します。
歯茎の変化
健康な歯茎は、サーモンピンク色で引き締まっています。
一方、重度の歯周病では歯茎が赤黒く腫れて、触ると出血しやすくなります。あごの骨が吸収されるため歯茎も下がり、歯の根元が露出することもあります。歯が長くなったように見えるため審美性が損なわれるでしょう。
痛みや違和感
歯周病が重度の状態にまで進行すると、歯茎に強い炎症がみられるようになります。また、歯周ポケット内には細菌や汚れが多く付着している状態です。そのため、抵抗力が落ちると細菌の活動が優位になるため歯茎に痛みや違和感を覚えることがあるでしょう。
また、歯茎が下がり、歯根が露出すると、温度や刺激に敏感になり、冷たいものや熱いものがしみる知覚過敏の症状が現れることもあります。
歯の動揺
重度の歯周病の代表的な症状のひとつとして、歯の動揺があります。歯を支えるあごの骨などの歯周組織が破壊されるため、支えを失った歯はグラグラと動くようになるのです。揺れがひどくなると噛む力が弱くなり、食べられる物が限られるケースも少なくありません。
口臭の悪化
歯周ポケット内の細菌が増殖すると、強い口臭が発生します。歯周病菌が食べかすに含まれるたんぱく質を分解する際にガスを発生させ、これが歯周病特有のにおいとなるのです。重度の歯周病になると口臭が強くなるため、家族など周囲の人に指摘されることもあるでしょう。
重度の歯周病の治療方法
重度の状態にまで進行した歯周病を放置すると歯を失う可能性が高くなります。歯を残すためには、適切な治療と継続的なケアをおこなっていく必要があるでしょう。以下に、重度の歯周病の主な治療方法について解説します。
スケーリング・ルートプレーニング
スケーリングとは、歯周ポケットの中に蓄積した歯石やプラークなどを専用の器具を使用して除去する処置です。ルートプレーニングは、歯根の表面を滑らかにする処置です。
歯周病が重度の状態にまで進行すると、歯周ポケットの深くに歯石やプラークが蓄積されます。スケーリング・ルートプレーニングでポケット内の歯石やプラークを取り除き、歯の表面を滑らかにすることで細菌の再付着を防ぎます。
歯周ポケットが清潔な状態になると、歯茎の炎症が改善される場合があるでしょう。
歯周外科治療
スケーリング・ルートプレーニングだけで改善が見込めない場合は、歯周外科治療を行います。歯周外科治療には、フラップ手術と歯周組織再生療法という治療法があります。
フラップ手術
歯周ポケットの深部の歯石や汚れが取りきれない場合は、フラップ手術をおこないます。歯茎を切開し、歯根を露出させて歯の表面の歯石などの汚れを除去する外科処置です。スケーリングで取りきれなかった歯石を除去することで、歯周ポケットを浅くすることができます。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法とは、歯周病によって失われたあごの骨などの組織を回復させる治療法です。骨が吸収された部位に再生を誘導する薬剤を入れ、歯周組織の再生を促します。
重度の歯周病の治療費用
重度の歯周病の治療にかかる費用は、症状の程度や必要な処置によって異なります。以下の表は、歯周病の治療法別の費用相場をまとめたものです。
<歯周病治療の費用相場>
治療方法 | 費用相場 |
---|---|
スケーリング | 保険適用(3割負担):3,000〜5,000円程度 |
ルートプレーニング | 保険適用(3割負担):5,000〜8,000円程度 |
フラップ手術 | 保険適用(3割負担):1万〜3万円程度 |
歯周組織再生療法 | 保険適用(3割負担):6,000〜1万円程度 自由診療:5万〜10万円程度 |
スケーリングやルートプレーニング、フラップ手術は保険が適用されるため、費用が安いケースが多いです。歯周組織再生療法に関しては、使用する薬剤によっては自由診療となるケースがあります。自由診療の場合は、費用が高額になる傾向にあるでしょう。
歯周病が進行するほど複雑な治療が必要になり、費用もその分、高額になります。歯周病を早期に発見し、重症化する前に治療を開始できれば、費用の負担を軽減することが可能です。
重度の歯周病の放置リスク
歯周病を放置すると、歯を支えるあごの骨が少しずつ溶けていき、最終的には歯が抜け落ちる可能性があります。また、歯の痛みや違和感、口臭、審美性の悪化など、日常生活に支障が出る可能性が高いです。
重度の歯周病は、全身疾患とも密接に関連しています。歯周病菌が口内の血管から血流に乗って全身を巡ることで、心臓病や糖尿病、早産などのリスクが高まるといわれています。
とくに、糖尿病に罹患していると歯周病の進行が早まり、また歯周病が糖尿病を悪化させる可能性もあります。
歯周病が進行すると、日常生活の質を低下させる可能性があるため、歯周病を予防することはもちろん、歯周病が疑われる場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
まとめ
重度の歯周病になると、歯茎の腫れや痛み、歯の揺れなどの症状が現れる可能性がありますが、適切な治療と継続的なケアで改善できる場合があります。
歯周病を早期に発見し、重症化する前に治療を受けられれば少ない負担で済むため、気になる症状がある場合は速やかに歯科医院を受診しましょう。重度の歯周病から歯を守るためには、定期的な歯科検診を受けることが大切です。
多くの歯科医院では定期メンテナンスをおこなっています。お口の中の健康を守るためにも歯科医院の定期メンテナンスに通って、歯の健康を維持しましょう。
歯周病にお悩みの方は、神戸市垂水区にある春藤歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、マウスピース矯正(インビザライン)や小児矯正(インビザライン・ファースト)、ホワイトニングだけでなく、虫歯治療や歯周病治療などにも力を入れています。ホームページはこちら、矯正相談もお待ちしております。