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「なんとなく痛いけど、自然に治るだろう」そんなふうに口内炎を軽く見ていませんか?たしかに多くの口内炎は数日から1週間ほどで自然に治りますが、中には長引いたり、強い痛みを伴ったりするケースもあります。なかなか治らない口内炎や繰り返す症状がある場合には、歯科での専門的な診断と治療が必要なこともあります。今回は、口内炎の原因や歯科で受けられる治療法について、詳しく解説します。
どうして口内炎ができるの?原因と治りにくい理由

口内炎ができる主な原因とは?
物理的な刺激
たとえば、食事中に頬の内側を噛んでしまった、合わない義歯が当たっている、矯正装置の金属が粘膜に擦れているなど、粘膜への継続的な刺激が炎症を起こすきっかけになることがあります。口の中は敏感なため、小さな傷からでも炎症が広がりやすく、口内炎として症状が現れることがあります。
栄養不足
ビタミンB2やB6、鉄分、亜鉛などが不足すると、口の中の粘膜が弱くなり、ちょっとした刺激でも傷つきやすくなります。とくにダイエット中や偏食、食事の不規則な生活が続く方に見られる傾向があります。
ストレスや免疫力の低下
仕事や育児の疲れ、精神的なストレスが続いていると、体の免疫力が落ちやすくなります。口内炎は「体からのSOSサイン」とも言われ、過労や睡眠不足などの生活習慣が影響していることも少なくありません。
ウイルスや細菌の感染
ヘルペスウイルスによる「ヘルペス性口内炎」、真菌(カンジダ菌)による「カンジダ性口内炎」など、感染症が原因の口内炎は、発熱やだるさを伴うこともあります。こうしたケースでは、市販薬では対処しきれないことが多く、早めの医療機関受診が重要です。
口内炎がつらいとき、何科に相談するのが正解?

口内炎が対応できる主な診療科
口内炎がつらいとき、まずどこを受診すればよいのか迷う方も多いかもしれません。実際には、以下のような診療科で対応しています。
歯科・口腔外科
粘膜・歯・噛み合わせなど口腔全体を診ることができ、原因除去や処置が可能です。
耳鼻咽喉科
喉まで炎症が広がっている場合、声枯れや発熱などを伴うときに適しています。
皮膚科・内科
発疹や全身症状がある場合、全身性疾患が疑われる場合に相談できます。
歯科を受診すべきケース
以下のような口内炎がある場合には、まず歯科医院を受診するのがおすすめです。
・歯や詰め物が当たってできている
・義歯や矯正装置が粘膜に触れている
・同じ場所に繰り返しできる
・治るのに2週間以上かかっている
歯科医院では、局所的な刺激の原因除去に加え、症状に応じた薬の処方や処置を行えます。また、症状が重い場合や、精密検査が必要と判断された場合には、連携先の歯科口腔外科や他の専門診療科への紹介も可能です。
「歯科で口内炎?」と意外に思われるかもしれませんが、口の中の痛みや炎症は、まず身近なかかりつけの歯科で相談することで、スムーズな診断と適切な医療機関への案内につながります。
歯科医院でも治療可能!口内炎に対する主な処置方法

歯科医院で行う治療の一例
原因の除去
・尖った歯の形を丸く削る
・詰め物や被せ物の調整
・義歯・矯正装置の当たりを調整
慢性的な刺激が続けば、何度治療しても再発を繰り返す可能性があります。根本的な原因を除去することが重要です。
薬による対処
ステロイド軟膏や貼付剤:炎症を抑え、痛みを軽減する
ビタミン剤の内服:粘膜の修復を助ける
抗生物質・抗真菌薬の使用:感染性の口内炎への対応
市販薬では対応しきれない重度の炎症も、歯科処方の薬でより効果的に治療できる場合があります。
レーザー治療
一部の歯科医院では、レーザーを使った口内炎の治療を取り入れています。患部にレーザーを照射することで、炎症を抑え、治癒を早める効果が期待できます。
痛みをやわらげながら治療できるのが特長で、薬が効きにくい場合や早く治したい方に向いています。
放っておかずに早めの受診を|繰り返す口内炎は注意サインかも

こんな口内炎はすぐに相談を!
・治癒までに2週間以上かかる
・痛みが強くて食事ができない
・発熱やリンパ節の腫れを伴う
・頻繁に同じ部位にできる
・見た目が通常と異なる(ただれ、しこり、色調の変化)
「ただの口内炎だから」と自己判断で放置すると、深刻な病気のサインを見逃す可能性もあります。早めに専門医の診断を受けることで、安心して治療に取り組むことができます。
口内炎にお悩みの方は、神戸市垂水区「春藤歯科医院」の口腔外科へ!
口内炎は、軽く考えがちですが、原因によっては専門的な治療が必要なケースもあります。歯科医院では、歯や義歯・矯正装置が関与しているかを判断し、必要に応じて調整・処方・検査などの対応が可能です。長引く・繰り返す・強い痛みを伴うといった症状がある場合は、我慢せず歯科医院に相談してみましょう。口内の健康は、全身の健康にもつながる大切なサインです。