こんにちは。神戸市垂水区にある春藤歯科医院です。
親知らずの抜歯は、多くの人が経験する可能性のある歯科治療の一つです。親知らずの抜歯に伴う、腫れや痛みなどが不安な方もいるでしょう。
親知らずの抜歯後に適切な対処を行わないと、回復が遅れるだけでなく感染症やその他のトラブルを引き起こす恐れもあります。
今回は、親知らずの抜歯によるダメージや、抜歯後に生じる可能性があるドライソケットについて、詳しく解説します。抜歯後に気を付けるべきことや痛みへの対策もご紹介しているので、親知らずの抜歯を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
親知らずの抜歯によるダメージ
抜歯をすると歯茎など歯の周辺組織に負担がかかるため、術後は痛みや腫れが生じるのが一般的です。以下で、親知らずの抜くことによるダメージについて解説します。
痛み
親知らずの抜歯後に生じる最も一般的な症状の一つが痛みです。抜歯後2~3時間は麻酔の効果で痛みを感じませんが、麻酔が切れると痛みが現れ、術後1〜2日が痛みのピークになるでしょう。
特に、斜めや横向きに生えている親知らずの場合は、歯茎の切開や骨の切除などを行うことがあるため、術後に痛みや腫れが出やすいです。歯科医院で処方された鎮痛剤を服用してください。
一般的には術後1週間程度で痛みは落ち着きますが、抜歯した部位の歯茎が細菌感染するなど、トラブルが起こった場合は痛みが長引きます。痛みが長引いたり強くなったりする場合は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
出血
親知らずの抜歯後には、一時的な出血が見られることがあります。出血のピークは抜歯当日で、抜歯した部分でガーゼを噛んで圧迫し、止血するのが一般的です。この処置によって、ほとんどの場合は数時間以内に出血がおさまりますが、1~2日程度続く場合もあるでしょう。
また、口の中の違和感から患部を舌や指で触ったり過度なうがいをしたりすると、抜歯箇所から出た血が固まってできた血餅が剥がれて、出血が再発することがあります。
血餅が剝がれると、強い痛みや感染症を引き起こす原因になったり、傷口の治癒に時間がかかったりします。そのため、抜歯してから1週間程度は患部に触れないように注意しましょう。
腫れ
親知らずの抜歯後には、炎症反応によって腫れが生じることが多いです。特に、難しい生え方をしている親知らずを抜いた場合は、大きく腫れる可能性があるでしょう。腫れは一般的に抜歯後1〜3日目にピークを迎え、その後数日かけて徐々に引いていきます。
患部を冷やすことで腫れを抑えられたりしますが、冷やしすぎると血行を悪くして回復が遅くなる可能性があるので注意しましょう。また、腫れが1週間以上続く場合や熱を伴う場合は、感染の疑いがあるため早めに歯科医院を受診してください。
ドライソケットについて
抜歯をした後にできる穴を抜歯窩(ばっしか)といいます。ドライソケットとは、抜歯窩に血餅(けっぺい)が形成されず、骨が露出している状態です。血餅は抜歯後の傷口を保護し、細菌感染を防ぐ役割を果たします。
通常は術後、抜歯窩から出た血が固まって血餅となり塞がっていきますが、様々な要因によってドライソケットになるのです。主な要因には、過度なうがいや免疫力の低下、抜歯窩を必要以上に触ることなどが挙げられます。
ドライソケットになると、骨がむき出しになることから痛みや口臭、発熱などの症状が現れます。
ドライソケットは、下顎の親知らずを抜いた際に起こりやすいです。通常、歯を抜いた当日は、ドライソケットになっていなくても麻酔が切れた時点で痛みを感じ、一般的に2~3日で治まります。
しかし、ドライソケットの場合は一般的に痛みが治まる3~5日目頃から痛みが悪化することが多く、長いと痛みが1か月以上続くこともあるでしょう。痛みを放置すると、痛みが増すだけでなく、骨が炎症を起こす可能性もあるため速やかに処置をする必要があります。
親知らずを抜いた後に気を付けること
ここでは、親知らずの抜歯後の痛みや腫れなどのトラブルを、最小限に抑えるための注意点について解説します。
抜歯後数日は安静に過ごす
血行が良くなると出血しやすくなります。そのため、親知らずを抜いた後数日は、運動や長時間の入浴、アルコールの摂取は控えるようにしましょう。
抜歯当日は過度にうがいをしない
親知らずの抜歯後は出血が続きますが、その血が固まって傷口に蓋ができ、傷の内部を保護して細菌感染を防ぎます。出血が続くので、どうしてもうがいをしたくなるかもしれません。
しかし、強くうがいをすると血餅が取れ、ドライソケットのリスクが高まります。そのため、最低でも術後24時間は過度なうがいを避け、軽くゆすぐだけにしておきましょう。
出血が気になる時は、ガーゼを強く噛んで圧迫止血するのも方法の一つです。
抜歯した部分は触らない
抜歯した部分に舌や指で触るのは避けましょう。血餅ができ口腔内に違和感を覚えるかもしれませんが、触ると剥がれるリスクがあります。
血餅が剥がれると再出血し、痛みが生じたり細菌感染したりする恐れがあるので、回復が遅れる原因になります。
食事に気をつける
抜歯後2~3時間は、麻酔の効果で感覚が麻痺していたり血餅ができ始めていたりするので、飲食物の摂取を控えましょう。
また、抜歯後の食事では、硬い食べ物や粘着性のある食べものは避けてください。これらは傷口にダメージを与えたり、食べかすが傷口に詰まって不衛生な状態を引き起こしたりする原因になります。
お粥やヨーグルト、ゼリー系飲料などの柔らかくあまり噛まなくて良い食べ物を選択し、患部に負担がかからないようにしましょう。抜歯後数日間は、できるだけ治療箇所とは反対側で噛むように心がけることも重要です。
喫煙・飲酒を控える
親知らずを抜いた後は、喫煙や飲酒も控えましょう。
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ血流を悪くします。そのため、免疫力が低下したり、抜歯した箇所の治癒が遅くなったりするのです。
このようなリスクを回避するためにも、喫煙は抜歯後傷口が完治するまで控えるようにしましょう。
また、アルコールの摂取もタバコ同様に合併症のリスクを高める可能性があります。傷口が完治するまでは、医師の許可が出るまで控えるほうが良いでしょう。
抜歯後の痛みの対策
以下で、親知らずを抜いた後の痛みの対策について詳しく解説します。
抗生剤・痛み止めを服用する
抜歯後は、歯科医院で処方された抗生剤と痛み止めを服用してください。鎮痛剤を服用することで痛みを抑えられます。鎮痛剤は痛みがなくなったら服用をやめても問題ありません。
しかし、抗生剤は口内の細菌感染を防ぐために必要なので、必ず処方されたすべてを服用するようにしましょう。
患部を冷やす
抜歯後に痛みが続く場合は、患部を冷やすことで炎症を抑え痛みや腫れを和らげられます。
ただし、冷やし過ぎると血流が悪くなり、痛みが悪化したり傷口の治癒が遅れたりする可能性があります。そのため、長時間冷やすことや氷を口に含むなどして冷やすことは避けましょう。
寝る姿勢を工夫する
抜歯後に痛みがひどい場合は、寝るときの姿勢を工夫するのも大切です。
うつ伏せや抜歯した側を下にして寝ると、患部が圧迫され痛みが出ることがあります。仰向けもしくは患部を上にした横向きで寝ると、痛みが緩和されるでしょう。
また、顔に血液が集まると痛みや腫れが長引きやすくなるため、血液をできるだけ下に向かわせることも大切です。たとえば、枕の上にタオルを置くなど、いつもより頭の位置を高くして寝ることで、痛みが軽減される可能性があるでしょう。
まとめ
親知らずの抜歯後の痛みは、生え方によって大きく異なり、痛みの感じ方にも個人差があります。抜歯後は麻酔が切れたら痛みを感じますが、1週間以内に痛みが和らぐことがほとんどです。
適切なケアを行うことで痛みは緩和できますが、万が一痛みが長引く場合や異常を感じた場合は、早めに歯科医師に相談して適切な処置を受けましょう。
親知らずを抜こうかお悩みの方は、神戸市垂水区にある春藤歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、マウスピース矯正(インビザライン)や小児矯正(インビザライン・ファースト)、ホワイトニングだけでなく、虫歯治療や歯周病治療などにも力を入れています。ホームページはこちら、矯正相談もお待ちしております。