こんにちは。神戸市垂水区にある春藤歯科医院です。
インビザライン・ファーストは、こどもたちの歯並びを改善するための矯正治療法です。透明で取り外し可能なマウスピースを使用するインビザライン・ファーストは、見た目の自然さと取り扱いの容易さから人気を集めています。
しかし、どんな治療法にもデメリットは存在します。
この記事では、インビザライン・ファーストのメリットとともに、デメリットにも焦点を当て、治療を検討している方が知っておくべき情報を解説します。
インビザライン・ファーストとは?
インビザライン・ファーストは、こどもの乳歯と永久歯が入れ替わる交換時期に行う1期治療として用いられます。骨が成長する重要な時期にインビザラインを用い、永久歯が整った状態で生えるための基盤を作ることを目的としており、治療期間は約1年半とされています。
しかし、インビザライン・ファーストを使用したからといって、永久歯の配置が完全に整うわけではありません。多くの場合、完璧な歯並びを実現するためには、通常のインビザラインや他の矯正装置を用いた追加の治療が必要になります。
それでも、インビザライン・ファーストを利用することで、後の矯正治療の期間や費用を削減できる可能性があります。インビザライン・ファーストだけで十分な歯並びの改善が見込めるケースもあるでしょう。
インビザライン・ファーストのほかの矯正方法は何が違う?
従来の小児矯正方法としては、床矯正による全体的なスペースの拡大や、TPA(トランスパラタルアーチ)、LIA(リンガルアーチ)による治療などが挙げられます。これらの方法は、確かな効果を発揮しますが装置が目立つことがデメリットとされてきました。
これに対し、インビザライン・ファーストはマウスピース型の矯正器具であり、目立ちにくいというメリットがあります。また、顎の幅を広げることや、個々の歯の位置を微調整することが可能です。
インビザライン・ファーストでは、上下の顎の成長をある程度コントロールすることが可能なのです。顎の成長をコントロールしながら歯の位置を調整できる画期的な治療と言えるでしょう。
インビザライン・ファーストにデメリットはある?
インビザライン・ファーストは魅力が多い治療ですが、デメリットも存在するのが事実です。以下に、インビザライン・ファーストにおけるデメリットについてご紹介します。
装着時間を守らなければならない
インビザライン・ファースト治療の大きなデメリットの一つは、マウスピースの装着時間を厳守しなければならない点です。具体的には、1日に20~22時間以上の装着が必要であり、食事や歯磨きの時間以外は装着し続けなければなりません。
装着時間を守らないと、顎の成長や歯並びを適切にコントロールすることができず、治療が予定通りに進まない可能性があります。
インビザライン・ファーストは取り外しが可能な点がメリットとされていますが、治療の成功は本人の努力に依存するのです。お子様の場合は、保護者の方のサポートと協力が不可欠です。
こども自身や保護者が装着時間の管理に十分な注意を払えない場合、治療の成果を得ることが難しくなるかもしれません。
マウスピースを紛失する恐れがある
インビザライン・ファーストのマウスピースは自由に取り外し可能ですが、その利便性がデメリットにもなり得ます。特に、食事の際などに取り外したマウスピースを紛失してしまうリスクがあります。
このようなトラブルを避けるため、マウスピースを取り外す際は、専用のケースに保管するなど工夫が必要です。
適応症例が限られる
インビザライン・ファーストは、全てのこどもたちが受けられるわけではありません。特に、歯並びや顎の状態によっては、治療が不可能な場合があります。
条件に合わない場合、インビザライン・ファーストではなく、従来の矯正治療を選択する必要があるでしょう。こどもや保護者は事前にこれらのデメリットを理解し、適切な治療方法を選択することが重要です。
インビザライン・ファーストのメリット
インビザライン・ファーストのメリットはその見た目と治療効果と説明しましたが、それだけではありません。インビザライン・ファーストには、これまでの矯正装置にはないメリットが多く存在します。
見た目が気にならない
インビザライン・ファーストは、透明で薄いマウスピースを使用するため、装着していても目立ちにくいという大きなメリットがあります。矯正治療を受けていることを他人にほとんど気づかれないため、外見に対するコンプレックスを感じることなく治療を進められます。
痛みや違和感が少ない
インビザライン・ファーストは、従来のワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が少ないというメリットがあります。使用されるマウスピースは薄く滑らかなため、口腔内に不快感を与えることがほとんどありません。
さらに、インビザライン・ファーストの治療法では、マウスピースを定期的に交換しながら歯を徐々に動かしていきます。ワイヤー矯正のように強い力を直接歯に加えることがないので、痛みを大幅に軽減することができるのです。
マウスピースの取り外しが可能
インビザライン・ファーストの大きなメリットの一つは、マウスピースを自由に取り外すことができる点です。歯磨きの際にマウスピースを取り外し、通常通りの丁寧な歯磨きが可能になります。これは、虫歯リスクの回避にもつながります。
さらに、食事の際もマウスピースを取り外せるため、食生活を変更する必要がありません。いつも通りの食事を楽しむことが可能です。
スポーツや音楽活動に制限がない
インビザライン・ファーストのマウスピースは、薄くて滑らかな独自開発の樹脂素材で製造されており、高いフィット感があります。クラブ活動でのスポーツや楽器演奏時にも違和感が少なく、活動に影響を与えないでしょう。
さらに、転倒や衝突時の怪我のリスクを軽減できるため、こどもたちが日常生活を安心して過ごせる点も大きなメリットです。
抜歯する可能性を下げられる
歯並びが悪い主な原因は、適切なスペースの不足にあります。インビザライン・ファーストをこどもの頃から利用することで、顎の成長を促し、歯が並ぶための土台を整えることができます。
永久歯が生えるためのスペースを確保し、歯を抜かずに整った歯並びを実現することが可能になるのです。2期治療が必要になった際も、顎のバランスや歯並びをある程度整えているため、抜歯する可能性が低くなります。
顎と歯列を同時に整えられる
インビザライン・ファーストは、歯並びを整えるだけでなく、顎の発達を促進することが可能です。これから生えてくる永久歯のためのスペースを確保することができるので、歯列の拡大と歯の配置を同時に行い、より効果的な矯正治療が実現できるのです。
そのため、一期治療で矯正治療を終えられる可能性が高くなります。二期治療が必要になった場合でも、治療期間や費用を抑えられる可能性があります。
まとめ
インビザライン・ファーストは、こどものインビザライン矯正です。乳歯と永久歯の交換期に行うこの治療は、顎の成長を促し、歯が整った状態で生えるための基盤を作ることを目的としています。
透明で薄いマウスピースは目立ちにくく取り外し可能であるため、食事や歯磨きが容易です。日常生活における不便や違和感を最小限に抑えられるでしょう。
また、歯並びが悪くなる主な原因のスペース不足を改善し、歯を抜くことなく整った歯並びを目指せる点も大きなメリットです。
しかし、装着時間の厳守が求められること、全てのこどもたちが適応可能ではないこと、マウスピースの紛失リスクなど、いくつかのデメリットも存在します。治療の成功は、本人の責任感と保護者のサポートに大きく依存します。
インビザライン・ファーストを検討している方は、これらのデメリットを踏まえて慎重に検討することが大切です。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、神戸市垂水区にある春藤歯科医院にお気軽にご相談ください。