こんにちは。神戸市垂水区にある春藤歯科医院です。
歯ぎしりの癖がある方でも、インビザラインでの治療ができるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。「歯ぎしりがあるとマウスピースは使えないの?」「どうしたら歯ぎしりを治せるの?」など、疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、歯ぎしりの原因や影響、歯ぎしりがある場合はインビザラインでの治療ができるのかについて解説します。歯ぎしりの改善方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは、上下の歯を強く噛み合わせたり擦り合わせたりする行動のことです。専門的にはブラキシズムと呼びます。主に就寝中に発生することが多いですが、日中に行う人も少なくありません。
多くの方が無意識に行っており、特に夜間の歯ぎしりは長時間行うことから問題視されています。放置すると、歯の摩耗や顎関節症などさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
歯ぎしりにはいくつか種類があります。歯をこすり合わせるグラインディング、歯をカチカチと鳴らすタッピングなどが挙げられます。歯を強く噛み締めるクレンチングも歯ぎしりの一種ですが、一般的には食いしばりと呼ばれています。
これらの行動は一見無害に思えるかもしれませんが、長期間続くとさまざまな不調の原因になり得ます。
歯ぎしりの原因は何?
歯ぎしりの原因は多岐にわたります。主な原因は、以下のとおりです。
ストレス
現代社会において、ストレスは多くの人々が抱える問題です。仕事のプレッシャーや人間関係の問題、生活習慣の乱れなどが原因で、無意識のうちに歯ぎしりをすることがあります。
ストレスは交感神経を活性化させ、筋肉の緊張を引き起こすためです。
不正咬合
上下の歯の噛み合わせが悪いことを、不正咬合といいます。正常ではない噛み合わせによって顎の筋肉に余計な力がかかり、歯ぎしりが発生することがあります。
遺伝的要因
家族に歯ぎしりの癖がある場合、その影響を受けることもあります。遺伝的要因が関与しているため、親や兄弟が歯ぎしりをしている場合、自分自身も同じ問題を抱える可能性があります。
睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群や不眠症などの睡眠障害があると、歯ぎしりを引き起こすことがあります。これらの障害があると睡眠中に身体がリラックスできないので、筋肉の緊張を引き起こし歯ぎしりに繋がります。
その他の要因
服用している薬やアルコールの摂取、カフェインの過剰摂取なども、歯ぎしりの原因になることがあります。また、栄養が不足していたり体内の化学物質のバランスが崩れたりすることも、歯ぎしりを引き起こす要因となります。
歯ぎしりが与える影響
歯ぎしりは、歯や顎に様々な悪影響を与える可能性があります。以下、歯ぎしりが引き起こす具体的な影響についてくわしく解説します。
歯の摩耗
歯ぎしりによって上下の歯が強く擦り合わされることで、歯のエナメル質が摩耗します。エナメル質は歯の表面を保護する硬い組織です。
エナメル質が薄くなると、歯が過敏になって冷たいものがしみたり、虫歯のリスクが高まったりします。
歯の破損
歯ぎしりの強い力が長期間かかり続けると、歯が割れたり欠けたりすることがあります。特に、詰め物やクラウンが施されている歯は破損しやすいです。
歯自体が割れた場合は修復が困難なため、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。
顎関節症
歯ぎしりは顎の筋肉や間接に大きな負担をかけるので、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。顎関節症の症状には、顎が痛む、口の開閉時に音が鳴る、口を開けるのが難しくなる、耳の奥に痛みを感じるなどがあります。
筋肉が長時間緊張し続けると、首や肩、頭部にも影響を及ぼします。頭痛や肩こりの原因となることもあるでしょう。
歯周組織へのダメージ
歯ぎしりによる強い力は、歯を支える歯周組織にも悪影響を及ぼします。歯周組織がダメージを受けると、炎症が起きやすくなったり歯周病のリスクが高まったりします。歯周病が進行すると、歯を失う可能性もあります。
睡眠の質の低下
睡眠時に歯ぎしりをしていると、起床時に顎の痛みや疲労感を覚えることが多いです。また、歯ぎしりの音が影響して睡眠を妨げ、日中の疲労感や集中力の低下を引き起こすことがあります。
歯ぎしりをする癖があってもインビザラインで治療可能?
歯ぎしりの癖があっても、インビザラインでの治療ができる可能性はあります。歯ぎしりの症状が長時間なのか一時的なものか、どのくらいの程度なのかによって異なるため、症状によってはインビザラインでは治療できないこともあります。
また、インビザライン矯正を受けられる場合でも、歯ぎしりが治療に与える影響は理解しておくべきです。歯ぎしりがある場合のリスクについて、くわしく解説します。
マウスピースの破損
インビザラインのマウスピースは薄いプラスチックで作られています。長期間強い力がかかり続けることを想定されていません。
そのため、歯ぎしりによって強い力が加わるとマウスピースが破損する可能性があります。マウスピースが破損・変形することによって口内に傷ができたり、矯正の効果が減少したりすることが懸念されます。
矯正が計画通りに進まない
歯ぎしりによって矯正治療以外の力が歯に加わると、歯が計画通りに移動しない場合があります。また、マウスピースが破損するなどの問題が起こると、マウスピースを作り直す時間が発生するでしょう。
当初の計画通りに治療が進まなかったり、想定外に時間がかかったりする可能性もあります。
痛みを感じやすい
インビザラインに限らず、矯正治療中は歯が移動するため、ある程度の違和感が生じます。歯を移動させるために力を加えられた歯茎などが通常より敏感になっているため、歯ぎしりによって痛みや違和感などの症状が悪化する可能性があります。
歯ぎしりでマウスピースが破損したときの対処法
インビザラインの治療中に歯ぎしりによってマウスピースが破損したら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
すぐに歯科医院に連絡する
マウスピースの破損を発見したら、すぐに歯科医院及び担当の歯科医師に連絡しましょう。マウスピースが破損したまま使用を続けると、歯の移動が適切に行われなくなったり、口内を傷つけたりする可能性があります。
歯科医師に迅速に相談すれば、適切な指示を受けることができます。
新しいマウスピースの作成
ひび割れなど、破損が軽度であればすぐに修復できる場合もありますが、大きく欠けていたり変形したりして修復が難しいとされる場合もあります。この場合、歯科医師と相談の上、マウスピースを再度作成する手続きを進めます。
場合によっては、現在の歯の状態を再度スキャンして、新しいマウスピースを作成する必要があるかもしれません。時間がかかることもありますが、治療の進行を確実にするために必要なステップです。
予備のマウスピースを使用する
マウスピースが破損して新しい物を作っている間は、前の段階のマウスピースを使用したり、次の段階のマウスピースを前倒しで使用したりして対応します。歯の位置を維持し、スムーズに治療を再開することができます。
ただし、あくまで一時的な対策なので、できるだけ早く新しいマウスピースを装着する必要があります。
歯ぎしりはどのようにして改善する?
歯ぎしりを改善するためにはどうすればいいのか、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。第一に、根本的な原因に対処をすることが重要です。
以下、歯ぎしりを改善するための具体的な方法をいくつか紹介します。
ストレスの管理
歯ぎしりの主な原因であるストレスを管理することは、歯ぎしりの改善に非常に役立つでしょう。ストレスを削減するために、リラクゼーション方法や趣味を楽しむ時間を持ちましょう。
また、適度な運動やヨガや瞑想、深呼吸などを日常に取り入れるのも効果的です。特に、運動は全身の筋肉をほぐします。有酸素運動などはリラクゼーション効果が高いので、歯ぎしりの予防に役立つでしょう。
睡眠環境の改善
良質な睡眠をとるための環境を整えることも大切です。寝室の温度や湿度を適切に保ち、快適な寝具を使用することで深い眠りを得やすくなります。
また、寝る前にスマートフォンやテレビを避け、読書や軽いストレッチをするとリラックスしやすいでしょう。
専門家に相談する
歯ぎしりが続く場合、歯科医師以外にも専門家の助けを借りることを検討しましょう。心理カウンセラーやストレスマネジメントの専門家に相談することで、ストレスや不安を軽減しましょう。
歯ぎしりの根本的な原因に対処できる可能性が高いです。
まとめ
歯ぎしりは多くの人が無意識に行っている行動であり、長期間放置すると歯や顎関節に深刻なダメージを与える可能性があります。歯ぎしりの習慣がある方は、インビザラインの治療だけでなくワイヤー矯正なども併用して矯正治療を進める場合もあるでしょう。
歯ぎしりの原因には、ストレスや不正咬合、睡眠障害などがあげられます。ストレス管理や運動、睡眠改善など、総合的なアプローチが重要です。
また、歯科医師と相談して適切な対策を講じることで、歯ぎしりによる悪影響を最小限に抑えられるでしょう。
歯ぎしりが気になる方は、まずは歯科医師に相談して自分に合った治療方法や対策を見つけることが大切です。インビザラインを利用した歯列矯正とあわせて、健康な口腔環境を目指しましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある春藤歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、マウスピース矯正(インビザライン)や小児矯正(インビザライン・ファースト)、ホワイトニングだけでなく、虫歯治療や歯周病治療などにも力を入れています。診療案内はこちら、ご予約、矯正相談もお待ちしております。