目次
子どもの歯に黒い点を見つけると、「虫歯かな?」と心配になりますよね。この記事では、歯にできた黒い点が虫歯かどうかの原因や受診の目安、予防方法についてお伝えしていきます。
子どもの歯に黒い点を見つけたら

仕上げ磨きのときや、写真・動画を見返したときに、ふと歯の黒い点に気づいてドキッとする方は少なくありません。痛みがないことも多く、「今すぐ歯医者に行くべきなのか、もう少し様子を見てもいいのか」と迷ってしまいがちです。
歯の黒い点には、虫歯が原因のものもあれば、虫歯が原因じゃないものもあり、ご家庭だけで見分けるのは簡単ではありません。まずはどのような原因が考えられるのか、そしてどんな状態のときに受診を考えたほうがよいのかを知っておくことが大切です。
子どもの歯の黒い点は虫歯?虫歯じゃない?考えられる原因
虫歯・初期虫歯による黒い点
奥歯の溝や歯と歯の間は汚れがたまりやすく、そこから小さな虫歯ができると黒い点や線のように見えることがあります。初めのうちは痛みが出ないことも多く、「黒いけれど痛がっていないから大丈夫」と思っているうちに、少しずつ進んでしまうこともあります。
見た目だけでは進行の程度が分かりにくいため、早めのチェックが大切です。
着色汚れやサホライドによる黒さ
お茶・ジュース・ココア・カレーなど、色の濃い飲食物の色素がつくと、歯の表面が黒っぽく見えることがあります。この場合は歯そのものが溶けているわけではなく、汚れによる着色が原因です。
また、乳歯の虫歯に進行止めの薬(サホライド)を塗った部分は黒く変色しますが、これは薬の性質によるもので、すぐに歯が悪くなったというわけではありません。
神経のトラブルなどその他の原因
転んで歯をぶつけたあとや、根の先に炎症がある場合など、歯の神経に問題が起きると歯全体が黒ずんで見えることがあります。この場合は、歯の色だけでなく、歯ぐきが腫れたり、違和感を感じることもあります。
また、歯石がついて黒く見える場合や、生まれつき歯の色が濃いこともあります。原因を見極めるためには、早めに受診することが大切です。
子どもの歯の黒い点を放置する危険性と受診の目安

見た目より進行していることがある
黒い点が小さいからといって、虫歯も小さいとは限りません。表面のエナメル質はかたくても、その内側の象牙質はやわらかいため、内側で広がるように進んでしまうことがあります。外から見ると「点」でも、中では「広がった虫歯」になっていることもあるため、長いあいだ放置するのはおすすめできません。
乳歯の虫歯が永久歯に与える影響
乳歯は生え替わる歯ですが、ただの「仮の歯」ではなく、永久歯が正しい位置に生えてくるための大切な役割を持っています。乳歯の虫歯が進んで根の先に膿がたまると、その下にある永久歯の発育や生える向きに影響が出る場合があります。
また、虫歯の進行で乳歯を早く抜かなければならなくなると、スペースが足りずに歯並びが乱れやすくなることもあります。
受診を考えてほしいタイミングと痛みの負担
次のような様子があれば、早めの受診を考えてみてください。
・黒い点が前より大きくなってきたと感じる
・指や爪・歯ブラシで触ると、ザラザラしたり引っかかる
・冷たいものや甘いものがしみる、噛んだときに違和感や痛みがある
こうしたサインがはっきり出る前に受診いただくと、削る量を少なくできることが多く、治療もシンプルに済みやすくなります。その分通院回数やお子さまの負担も抑えやすくなりますので、「黒い点が気になり始めたとき」が相談のちょうどよいタイミングと考えてみてください。
子どもの歯に黒い点ができないための予防方法
仕上げ磨きとフッ素入り歯みがきの使用
仕上げ磨きでは、黒い点ができやすい奥歯の溝や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目を意識して磨きましょう。小さめの歯ブラシとフッ素入り歯みがき剤を使うことで、汚れを落としやすくなり、歯も強く保ちやすくなります。
おやつ・飲み物の選び方とタイミング
甘いお菓子やジュースをだらだら口にしていると、虫歯ができやすい状態が続いてしまいます。おやつの時間を決め、普段の飲み物はお水やお茶を中心にするなど、少しの工夫でお口の環境は大きく変わります。
毎日の習慣で気をつけたいポイント
寝る前の仕上げ磨きと、「歯みがき後は何も食べない」を習慣にできると虫歯予防に役立ちます。ときどきお口の写真を撮って変化をチェックしつつ、ご家庭で無理なく続けられることから始めていきましょう。
当院で行う子どもの虫歯予防

歯の黒い点を防ぐために、春藤歯科医院ではお子さまの年齢やお口の状態に合わせた虫歯予防に取り組んでいます。早い段階で予防を行うことで、虫歯だけでなく、将来の歯並びや噛み合わせの問題も防ぐことができます。
歯みがき指導・生活習慣指導
虫歯予防の基本は歯みがきです。当院では、お子さま自身の歯みがきだけでなく、仕上げ磨きのコツや磨き残しが出やすい場所も一緒に確認していきます。
また、歯の黒い点は虫歯だけでなく、着色が原因の場合もあります。生活習慣を見直すことで、色の濃い飲み物やおやつをだらだら食べたり飲んだりする習慣を防ぎ、着色を予防することができます。虫歯の可能性が高い場合には、おやつや間食のタイミングなど、虫歯や着色を防ぐ生活習慣についても一緒に考えていきます。
フッ素塗布
フッ素は、歯の表面を強くし、溶けかけた部分を元に戻そうとする「再石灰化」を助けてくれます。安全に管理された歯科用フッ素を歯に塗布することで、虫歯になりにくい状態を目指します。乳歯が生え始め、お口を開けていられるようになれば、フッ素塗布を受けていただけます。
シーラント
奥歯の細かい溝に薄い歯科用樹脂を流し込んで固め、汚れや虫歯菌が入り込みにくくする予防方法です。乳歯の奥歯や、生えたばかりの永久歯に行われることが多く、歯を削る必要はありません。少しの間お口を開けていられるようになれば、お子さまでも受けていただけます。
定期検診
定期的にお口の状態を確認し、必要に応じてフッ素塗布やシーラントなどの予防処置を行います。乳歯は永久歯よりも虫歯が進行しやすいため、定期検診で早期発見が重要です。虫歯を早く見つければ、処置もシンプルになり、お子さまの負担も軽減できます。
また、歯並びや噛み合わせの問題にも早く気付けるので、将来の歯並びに対するアドバイスも行っています。
よくある質問(FAQ)
仕上げ磨きしても黒い点が取れません。受診したほうがいいですか?
仕上げ磨きで丁寧にこすっても黒い点が変わらない場合、虫歯や、着色・薬による変化などが考えられます。ご家庭だけで見分けるのはむずかしいため、受診をおすすめします。早めにチェックできれば、もし治療が必要でも負担を抑えやすくなります。
フッ素塗布で歯が黒くなることはありますか?
一般的なフッ素塗布で歯が黒くなることはありません。黒くなるのは、乳歯の虫歯に進行を抑える薬(サホライド)を使用した場合にみられる変化です。当院で使用するお薬や処置については、事前にしっかり説明いたしますので、不安な点はいつでもおたずねください。
転んだあと前歯が黒くなってきました。すぐ受診が必要ですか?
転倒などで前歯を強くぶつけたあと、時間が経ってから歯が黒ずんでくることがあります。歯の神経にダメージがある場合もあるため、早めの受診がおすすめです。痛みや歯ぐきの腫れがあるとき、歯がグラグラしているときは、とくに急いでご相談ください。
神戸市垂水区で子どもの歯のご相談は春藤歯科医院へ
子どもの歯にできた黒い点は、虫歯の場合もあれば、着色やお薬の影響など、虫歯じゃない場合もあります。見た目だけで判断するのはむずかしく、「受診するほどではないかも」と迷っている間に、症状が進んでしまうこともあります。
当院では、お子さまの虫歯治療や予防に力を入れ、永久歯や将来の歯並びまで見据えた診療を心がけています。神戸市垂水区で子どもの歯のことで少しでも心配なことがあれば、春藤歯科医院へお気軽にご相談ください。