インビザライン・ファーストの費用は？ほかの治療法の費用と比較
2024年01月31日
こんにちは。神戸市垂水区にある春藤歯科医院です。
インビザライン・ファーストは、成長期のお子さまを対象とした透明なマウスピースによる矯正治療です。お子さまの歯並びを整えるために検討していても、費用が気になる方が多いでしょう。
今回は、インビザライン・ファーストの特徴と、費用について解説します。ほかの小児矯正治療の費用もご紹介するので、治療を選択する際の参考にしてください。
インビザライン・ファーストとは？
透明なマウスピースを装着して歯列を矯正するインビザラインには、患者さまの状態やニーズに応じて、いくつかの種類があります。
インビザライン・ファーストは、成長過程にあるお子さまの治療に特化したインビザラインです。乳歯から永久歯に生え変わる時期の6～10歳前後が対象になります。適応条件は、簡単に表現すると第一大臼歯と前歯が3分の2以上生えていることといえます。
インビザライン・ファーストは、顎の成長を促して歯を並べるためのスペースを確保することと、歯を移動させて歯並びを整えることを同時に行えることが大きな特徴です。歯並びの乱れは、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りないことが原因の場合が多いです。
インビザライン・ファーストで顎の骨を拡大しながら歯並びを調整することで、美しい口元を目指せるでしょう。
お子さまの歯並びや顎の成長に合わせて治療計画が立案されるので、治療期間は一人ひとり異なります。最大18か月程度でしょう。
インビザライン・ファースト治療後、必要に応じて2期治療（成人矯正）に移行する場合もあります。
インビザライン・ファーストの治療の流れ
インビザライン・ファーストの治療の流れは、大人用のインビザラインと変わりません。事前にカウンセリングを行い、治療を希望される場合は精密検査を実施し、矯正装置を作るために歯型を採取します。
お子さまの歯に合わせたマウスピースが作製されるので、歯にフィットするかを確認し、着脱方法やお手入れ方法などの説明を受けます。1～2か月に1回程度通院して進行具合を確認しながら、治療を進めるのが一般的です。
インビザライン・ファーストでは、マウスピースを1日20〜22時間装着し、1〜2週間に一度交換して治療を進めます。マウスピースの装着方法や装着時間、交換時期を管理する必要があるので、保護者の方も協力する必要があるでしょう。
歯が整ったあとは、後戻りを防ぐために保定装置を装着します。特に治療後1年間は後戻りする力が強いです。2年以上、保定装置の装着が必要なケースも少なくありません。
インビザライン・ファーストの費用
インビザライン・ファーストの費用の総額は、400,000～500,000円前後が目安です。自由診療であるため、歯科医院によって異なります。
支払い方法も、歯科医院によって異なるでしょう。診察のたびに支払う都度払い制と、治療に必要な全額が始めに提示され 、基本的に追加費用が発生しないトータルフィー制があります。クレジットカード払いやデンタルローンなどを利用可能な歯科医院もあるでしょう。
インビザライン・ファーストの費用の内訳をご紹介します。
治療前
まずは、治療前に必要な費用から確認しましょう。
初診・カウンセリング
インビザライン・ファーストでの治療が可能なのか、お子さまのお口の状態を診察します。治療期間や費用、治療の流れなども説明されるでしょう。
費用は、無料～10,000円が目安です。多くの歯科医院が無料相談を行っているので、検討するとよいでしょう。
精密検査・診察
カウンセリングを受けて治療を行うと決めた場合は、口腔内写真、顔写真、CTなどの撮影、口腔内3Dスキャナー 「iTero（アイテロ）」による歯型の採取が行われます。検査で得た情報をもとに治療計画が立案され、お子さまの歯に合わせたマウスピースが作製されるのです。
精密検査・診察にかかる費用の目安は、10,000～50,000円です。
治療中
一般的に、1～2週間に1回の頻度でマウスピースを交換し、徐々に歯を動かします。
マウスピース
インビザライン・ファーストのマウスピースの費用は、300,000～400,000円前後が目安です。使用するマウスピースの枚数によって変動するので、必ず確認しましょう。
調整
通院の際に、調整料として2,000～5,000円程度必要な場合が多いです。通院は1～2か月に1回で、治療期間によってトータルの費用が変動するでしょう。
治療後
歯並びが整ったら、後戻りを防ぐために保定装置（リテーナー）を装着します。
保定装置（リテーナー）
保定装置（リテーナー）には、大きくわけて3つの種類があります。
＜保定装置（リテーナー）の種類＞
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| プレート型 | レジンで作った床に取り付けたワイヤーで歯の位置を固定する |
| マウスピース型 | 透明なマウスピース型で歯全体を覆って固定する |
| ワイヤー型 | 前歯の裏側などにワイヤーを接着して歯の位置を固定する |
保定装置の費用は、5,000～60,000円程度でしょう。
調整
保定期間の通院頻度は、1～3か月に1回が目安です。調整料として2,000～5,000円程度必要になるでしょう。
ほかの治療法との費用を比較
成長期のお子さまの矯正治療には、インビザライン・ファースト以外にも方法があります。
拡大床
プレートについたワイヤーを歯に引っかけて、装置の中央にあるネジを回して徐々に顎を広げる装置です。取り外し可能な装置で、歯並びの状態にもよりますが通常1日14時間以上装着します。
費用の相場は、100,000～400,000円です。
ムーシールド
乳歯がすべて生え揃う前、3～4歳頃から行えるマウスピース型の装置です。受け口の治療に用いられ、基本的に就寝時のみ装着します。
歯を移動させるというよりは、口周りの筋肉のバランスや舌の位置などを正す治療です。受け口に影響を与える悪い癖を改善し、間接的に歯並びを改善します。
費用の相場は、200,000～400,000円です。
プレオルソ
柔らかいシリコン素材のマウスピース型の矯正装置です。4～9歳頃のお子さまが対象で、受け口や出っ歯などさまざまな症状を改善します。日中1時間と就寝中に装着して治療を進めます。
ムーシールドと同様に、直接歯を移動させる治療方法ではありません。歯並びに悪影響を与える癖を改善しながら顎の骨の成長を促し、歯並びが乱れないようにする治療といえます。
費用の相場は、100,000～300,000円です。
急速拡大装置
上顎の幅を広げて、歯が並ぶためのスペースを確保する装置です。取り外すことはできませんが、管理の必要がなく効果が高いことが特徴でしょう。
上顎に装置を固定し、装置中央のネジを回して顎を拡大します。
費用の相場は、100,000～400,000円です。
ヘッドギア
出っ歯の改善に使用される装置です。主に7～9歳のお子さまを対象としています。頭か首で固定して装着し、毎日12時間以上使用します。
費用の相場は、100,000～300,000円です。
リンガルアーチ
太いワイヤーを左右の奥歯に固定し、歯列の内側のアーチに密着させる装置です。ワイヤーの力で歯を移動させます。
費用の相場は、400,000～600,000円です。
インビザライン・ファーストは保険が適用される？
インビザライン・ファーストは基本的に自由診療なので、健康保険は適用されません。治療にかかった費用は、全額患者さまの負担となります。
矯正治療でも、顎変形症の改善のために外科手術が必要な症例などは、健康保険の適用対象になります。
しかし、インビザライン・ファーストでは外科手術を伴う重度な症例は治療できないことが多いです。
インビザライン・ファーストの費用を安くする方法
インビザライン・ファーストの治療費用を安くするのは、基本的には難しいです。
しかし、経済的な負担を減らす方法や、追加の費用がかからないための方法はあります。それぞれ確認しましょう。
医療費控除を受ける
医療費控除とは、1年間にかかった医療費が100,000円（総所得金額が2,000,000円未満の場合は総所得の5%）を超えた場合に受けられる所得控除制度です。
審美目的ではなく、嚙み合わせの改善など医療目的であれば、矯正治療も医療費控除の対象となります。歯科医師に診断書を書いてもらって、忘れずに確定申告の際に申請しましょう。
装着時間を守る
インビザライン・ファーストは取り外せることが大きなメリットですが、1日20〜22時間、毎日装着することを前提に治療計画が立てられます。
長期間外していると治療計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びるでしょう。治療期間が延びると、追加の費用がかかる可能性があります。
費用の負担を軽減するために、マウスピースの装着時間や交換時期は必ず守ってください。
まとめ
インビザライン・ファーストは、成長期のお子さまを対象とした矯正治療です。透明なマウスピースを使用するため日中に装着していても目立たず、違和感が少ないためお子さまに負担をかけずに治療を受けられます。
医療費控除を受けられることもあるので、お子さまの口腔内の健康のために検討するとよいでしょう。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、神戸市垂水区にある春藤歯科医院にお気軽にご相談ください。