こんにちは。神戸市垂水区にある春藤歯科医院です。
インビザラインの治療を進める中で、マウスピースが歯の根元や一部の歯から浮くことがあります。新しいマウスピースに交換した際に1~2mm程度浮いても、問題ないケースがほとんどです。
しかし、マウスピースが浮く範囲が広かったり、2~3日経っても浮いたままだったりする場合、何らかのトラブルが原因と考えられます。
本記事では、インビザラインのマウスピースが浮く8つの原因について解説します。浮くことによる影響や対処法についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインのマウスピースが浮く原因とは?
インビザラインは、透明で薄いマウスピースを装着して歯並びを矯正していく治療方法です。1枚ずつ形が異なるマウスピースを1日20時間以上装着し、定期的に交換しながら歯を動かして治療を進めます。
しかし、治療を進める中で装着しているマウスピースが浮くことがあります。ここでは、インビザラインのマウスピースが浮く8つの原因を解説します。
新しいマウスピースを装着したから
インビザラインを始めた直後や新しいマウスピースに交換した際は、マウスピースが浮くことがあります。歯の移動が不十分なため、歯がマウスピースの形にフィットしにくいからです。
新しいマウスピースの装着直後に1~2mm程度浮いていたとしても、その後歯が動くことで改善されるようであれば問題ありません。マウスピースが浮く範囲が広い場合や、2~3日程度経ってもマウスピースの浮きが改善されない場合は、一度担当の歯科医師に相談しましょう。
マウスピースの装着時間が短いから
インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上装着することで歯並びを整えます。装着時間が短い場合、歯の移動が不十分になりマウスピースが浮くことがあります。
インビザラインは、患者様自身でマウスピースの装着時間を管理する必要があります。決められた装着時間はしっかり守りましょう。
マウスピースの着脱回数が多いから
インビザラインのメリットは、患者様自身でマウスピースを取り外しできることです。
しかし、1日の内に何度もマウスピースを取り外すと、マウスピースの装着時間が短くなりマウスピースが浮く原因になることがあります。着脱回数が多いとマウスピースが変形し、治療の妨げになる場合もあるので、食事や歯磨き以外の時間は外さないでください。
マウスピースを正しく装着できていないから
インビザラインの効果を十分に発揮するためには、歯の根元までしっかりマウスピースを装着する必要があります。マウスピースを正しく装着できていなければ、治療が計画どおりに進まずマウスピースが浮く原因になるでしょう。
マウスピースの装着が難しい場合は、アライナーチューイーを使用してください。アライナーチューイーは、マウスピースを歯に密着させるための補助器具です。
マウスピースにフィットしにくい歯の形だから
インビザラインで使用するマウスピースは、歯を覆うような形になっています。
しかし、歯の形や膨らみには個人差があるため、歯の高さが低かったり、歯が小さかったりすると、マウスピースと歯がフィットせず浮くことがあります。例えば、奥歯だけなど一部の歯のみが浮く場合は、歯の形に問題があることが考えられます。
そのまま装着を続けても十分な効果を得られないかもしれないので、担当の歯科医師に相談するとよいでしょう。
アタッチメントを装着していないから
アタッチメントとは、マウスピースと歯をフィットさせるために歯の表面に接着するボタンのような補助器具です。アタッチメントは歯に近い色ですが、審美的な理由で前歯などの見えやすい歯には接着しないことがあります。
アタッチメントを装着すれば前歯の浮きは改善できることが多いため、一度歯科医師と相談するとよいでしょう。
大きく動かす必要のある歯だから
インビザラインは、マウスピースを交換しながら少しずつ歯を動かす治療法です。そのため、歯並びを細かく整えるのは得意なものの、大きく動かすのは苦手といわれています。
例えば、ねじれている歯や八重歯を治療する症例や、抜歯が必要な症例などです。歯を動かす距離が長い場合、治療計画通りに歯が動かないことも多く、マウスピースの交換時に浮くことがあるでしょう。
マウスピースが変形・破損しているから
インビザライン矯正のマウスピースは、薄く弾力性のあるシリコン製です。
マウスピースの着脱回数が多かったり、専用ケースに入れて保存していなかったりすると、簡単に変形・破損するでしょう。歯ぎしり・食いしばりなどでマウスピースに強い負荷がかかったことで、変形・破損することもあります。
変形・破損したマウスピースを使い続けると、マウスピースが浮くだけでなく矯正治療を妨げる場合があります。すぐに歯科医院を受診しましょう。
インビザラインのマウスピースが浮くことによる影響
インビザラインのマウスピースが浮くことによる影響は、以下の3点です。
治療期間が延びる可能性がある
インビザラインのマウスピースが浮くと、治療計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる可能性があります。早めに対処しなければならない場合もあるので、直ちに歯科医師に相談しましょう。
歯並びが悪化する可能性がある
マウスピースが浮くことで、違う方向に歯が動いて歯並びが悪化する可能性があります。治療計画の修正が必要になると、その分治療期間や費用がかかるでしょう。
舌や頬・歯茎を傷つける可能性がある
浮く原因がマウスピースの変形・破損である場合、尖った部分が当たって口腔内を傷つける可能性があります。舌や頬、歯茎が傷ついて、口内炎ができたり出血したりすることがあります。
一度できた傷はすぐには治らないため、インビザライン矯正が苦痛になることもあるでしょう。マウスピースが変形・破損した場合は放置せず、なるべく早く歯科医院に相談することが大切です。
インビザラインのマウスピースが浮くときの対処法
インビザラインのマウスピースが浮くときの4つの対処法について解説します。
歯科医師に相談する
マウスピースが浮く原因によって対処方法が異なるため、まずは歯科医師に相談しましょう。
インビザラインが浮く原因が歯の移動不足である場合、マウスピースの追加やアタッチメントの装着が必要になる場合があります。お口の状態によっては、ワイヤー矯正や顎間ゴムなど、追加の治療が必要になることもあります。
マウスピースの装着時間を守る
マウスピースの装着時間が20時間未満だったり、1日の着脱回数が多かったりするようであれば、マウスピースが浮くことがあります。歯の移動が計画どおりに進めば、マウスピースの浮きは改善されるでしょう。
インビザラインの治療成果は、患者様がマウスピースの装着時間や交換時期を管理できるかに左右されます。インビザラインを成功させるためにも、マウスピースの装着時間を厳守することが大切です。
アライナーチューイーを使用する
インビザラインのマウスピースを正しく装着できていなければ、歯の根元が浮いて治療がうまく進まないことがあります。マウスピースを装着する際は、マウスピースと歯を密着させるためのアライナーチューイーを使用しましょう。
特に、新しいマウスピースは浮きやすいです。マウスピースを装着する際にアライナーチューイーを10〜20分ほど、3〜4日程度噛めばマウスピースのフィット感が向上するでしょう。
1つ前のマウスピースを装着する
歯の移動が不十分なことが原因でマウスピースが浮く場合、1つ前のマウスピースに戻すことで解決するかもしれません。早く治療を進めたいからと交換時期を早めると、マウスピースが浮くことがあるのです。
このような場合、古いマウスピースの装着期間を2~3日程度延ばすことで、マウスピースの形に歯が動きます。次のマウスピースに交換した際の浮きを軽減できるでしょう。
まとめ
インビザラインのマウスピースが浮く原因は、マウスピースの装着時間や装着方法が守れていなかったり、マウスピースに変形・破損がみられたりすることなど様々です。原因によって対処方法は異なりますので、まずは歯科医院を受診しましょう。
多くの場合、装着時間や装着方法を見直すことで改善できます。マウスピースが浮いたまま放置していると、治療が計画通りに進まず、治療期間が延びたり追加で費用が発生したりする可能性があります。
インビザライン矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある春藤歯科医院にお気軽にご相談ください。